○北海道広域消防相互応援協定

平成29年4月27日

(目的)

第1条 この協定は、消防組織法(昭和22年法律第226号。以下「法」という。)第39条の規定に基づき、北海道内の市、町及び消防の一部事務組合(以下「市町等」という。)相互の応援体制を確立し、災害が発生した場合又は災害が発生するおそれのある場合に有効に対処することを目的とする。

(対象とする災害)

第2条 この協定の対象とする災害は、法第1条に規定する水火災又は地震等の災害で、市町等の応援を必要とするものとする。

(地区区分)

第3条 この協定による相互応援を円滑に実施するため、市町等を別表に掲げる地区に区分する。

2 道央地区に札幌地区を置くものとする。

(代表消防機関の設置及び任務)

第4条 この協定による相互応援を円滑に実施するため、別表に規定する地区ごとに地区代表消防機関を置き、地区代表消防機関を総括する総括代表消防機関を置く。

2 地区代表消防機関及び総括代表消防機関(以下「代表消防機関」という。)の選定は、別に定める。

3 地区代表消防機関の任務は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 総括代表消防機関及び当該地区内消防本部との連絡調整及び情報交換に関すること。

(2) 当該地区内の応援可能な消防隊等の把握及び調整に関すること。

(3) 応援する指揮支援隊、指揮隊、消防隊、救助隊、救急隊、支援隊及び航空隊(以下「応援隊」という。)の円滑な活動及び管理に関すること。

4 総括代表消防機関の任務は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 北海道及び総務省消防庁との連絡調整及び情報交換に関すること。

(2) 地区代表消防機関との連絡調整及び情報交換に関すること。

(3) 北海道内の応援可能な消防隊等の把握及び調整に関すること。

(4) 応援隊の円滑な活動及び管理に関すること。

(5) その他必要な事項に関すること。

(代表消防機関の任務の代行)

第4条の2 代表消防機関を置く市町等が被災し、被害の状況により代表消防機関が任務を遂行できない場合は、当該代表消防機関を置く市町等の長は、代表消防機関の代行を置くことができるものとする。

2 代表消防機関の代行の選定は、別に定める。

(応援の種別)

第5条 この協定による応援の種別は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 陸上応援 指揮支援隊、指揮隊、消防隊、救助隊、救急隊又は支援隊による活動

(2) 航空応援 回転翼航空機を装備した消防吏員の一隊(以下「航空隊」という。)による活動

(応援隊及び資機材の登録)

第6条 市町等は、応援隊及び資機材をあらかじめ登録するものとする。

(応援要請の方法)

第7条 応援の要請は、災害が発生し、又は発生するおそれのある市町等(以下「要請側」という。)の長から他の市町等の長に対し、災害の規模等に応じて次の各号の区分により行う。

(1) 陸上応援要請

 第1要請

当該市町等が隣接の市町等に対して行う応援要請

 第2要請

当該市町等が構成する別表の地区内の他の市町等に対して行う応援要請(第1要請を除く。)

 第3要請

当該市町等が構成する別表の地区外の市町等に対して行う応援要請(第1要請を除く。)

(2) 航空応援要請

航空隊の応援を必要とする応援要請

2 陸上応援要請は、第1要請、第2要請、第3要請の順に行うものとする。ただし、要請側の長が特に必要と認める場合は、この限りでない。

3 前項の陸上応援要請のうち、第2要請にあっては要請側の地区代表消防機関を、第3要請にあっては要請側の地区代表消防機関、総括代表消防機関及び応援要請をされた市町等の地区代表消防機関を経由して行うものとする。

(応援要請の代行)

第7条の2 地区代表消防機関(札幌地区代表消防機関を除く。)を置く市町等の長は、災害の状況により応援の必要があると認める場合は、北海道知事及び総括代表消防機関を置く市町等の長と協議し、要請側の長に代わり他の市町等の長に応援の要請をすることができるものとする。

2 前項の応援の要請は、前条の規定により要請側の長が行った応援の要請とみなすものとする。

(迅速な出動体制の構築)

第8条 代表消防機関を置く市町等の長は、別に定める災害が北海道内で発生した場合は、速やかに当該地区内の応援可能な消防隊等を把握し迅速な出動体制を構築するものとする。

(応援隊の派遣)

第9条 第7条の規定により応援の要請を受けた市町等(以下「応援側」という。)の長は、特別の事情がない限り、応援隊を派遣するものとする。

2 応援側の長は、応援隊を派遣するときは、要請側の長に対し、その旨を通知しなければならない。この場合において、第7条第3項の規定により経由することとされている代表消防機関を経由した応援要請にあっては、当該代表消防機関を経由して通知するものとする。

3 札幌地区代表消防機関は、道央地区内の第2要請または第3要請において、要請側の長が特に必要と認める場合に道央地区代表消防機関と調整し、札幌地区応援部隊を速やかに編成し派遣できるものとする。

(応援隊の指揮)

第10条 応援隊の指揮は、要請側の長が行うものとする。

(応援経費の負担)

第11条 陸上応援に要する経費は、要請側の負担とする。ただし、次の各号に掲げる経費は、応援側の負担とする。

(1) 応援隊員の出動に係る旅費及び諸手当

(2) 車両及び機械器具の燃料費(現地で調達したものを除く。)

(3) 車両及び機械器具の修理費

(4) 消耗品の補充費(現地で調達したものを除く。)

2 航空応援に要する応援隊員の出動に係る旅費及び諸手当並びに回転翼航空機の燃料費は、原則として要請側の負担とする。

3 応援側の長は、前2項の規定により要請側の負担とされる経費を要請側の長に直接請求するものとする。

(損害賠償)

第12条 応援隊の応援に伴い発生した事故の処理に要する次の各号に掲げる経費は、要請側の負担とする。ただし、応援側の重大な過失により発生した損害賠償に要する経費は、応援側の負担とする。

(1) 土地、建物、工作物等に対する損害賠償

(2) 一般人の死傷に伴う損害賠償

2 前項に定める要請側の負担額は、応援側が加入する保険により支払われる金額を控除した金額とする。

(協議)

第13条 この協定に定めのない事項又は疑義を生じた事項については、その都度市町等の長が協議して決定するものとする。

(委任)

第14条 この協定の実施に関し必要な事項は、市町等の消防長が協議して定める。

(平成29年4月27日締結)

この協定は、平成29年4月27日から施行する。

(令和2年3月23日締結)

この協定は、令和2年7月1日から施行する。

本協定の成立を証するため協定書58通を作成し、記名押印のうえ市町等において各1通を保有する。

別表

地区

構成市町等

道西地区

函館市、森町、八雲町、長万部町、渡島西部広域事務組合、南渡島消防事務組合、檜山広域行政組合

道南地区

室蘭市、苫小牧市、登別市、白老町、西胆振行政事務組合、胆振東部消防組合、日高東部消防組合、日高中部消防組合、日高西部消防組合

道央地区

小樽市、夕張市、美唄市、江別市、三笠市、千歳市、歌志内市、恵庭市、北広島市、石狩北部地区消防事務組合、羊蹄山ろく消防組合、岩内・寿都地方消防組合、北後志消防組合、滝川地区広域消防事務組合、岩見沢地区消防事務組合、深川地区消防組合、砂川地区広域消防組合、南空知消防組合




札幌地区

札幌市

道北地区

旭川市、増毛町、上川北部消防事務組合、士別地方消防事務組合、大雪消防組合、富良野広域連合、北留萌消防組合、留萌消防組合、稚内地区消防事務組合、利尻礼文消防事務組合、南宗谷消防組合

道東地区

釧路市、根室市、網走地区消防組合、北見地区消防組合、紋別地区消防組合、遠軽地区広域組合、美幌・津別広域事務組合、斜里地区消防組合、釧路北部消防事務組合、釧路東部消防組合、根室北部消防事務組合、とかち広域消防事務組合

北海道広域消防相互応援協定

平成29年4月27日 種別なし

(令和2年7月1日施行)